Dragon Hunter〜月雲花風〜
「おーいっ!」
叡刃とバルトが向こうから駆けてくるのを見て、エドガーとハミルトンは立ち上がった。
「みんな無事?」
ひょいと首を傾げながら叡刃はエドガーに聞いた。男がするにはかわいらし過ぎる仕草だが、この男がすると、妙に似合っている。
「ああ。幸運なことに市民にもほとんど被害者は出ていない」
「そっかぁ。ヒオウは?」
「無事だ。多少疲れてはいるようだがな」
「どこにいるの?」
きょろきょろと辺りを見渡して不安そうに叡刃は聞いた。
「ここにいる」
叡刃が振り向くと、そこにはヒオウがいた。先程は何もなかったであろうそこに何事もなかったかのように立つ彼女。
「よかった〜。いつからそこにいたのさ」
彼女はほんの少し首を傾げた。
「あなた達がここに来た時には既にいたが」
「も〜心配したんだよ」
と抱き着く叡刃にヒオウはぎょっとしたように一瞬体を強張らせた。