夢オチ<22ページ>
そんな思いを余所に、また部屋の温度に変化があった。


今度はぐんぐん下がる。

ずぶ濡れの僕は、体を温める術を持たず、白く見える筈の自分の息を想像する。


寒い。寒い。寒い…



僕は隅に移動すると、壁に背を預けた。


壁は氷の様に冷たい。

着ている服は、凍りつつある。

指先の感覚は既に無く、その手で髪を触るとガリガリした。



別にいい。

このまま、僕の体を流れる血すら凍らせてしまえ。



早く解放されたい。

このゲームを終わらせたい。


僕の負けでいいから…

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