夢オチ<22ページ>
ずっとずっと、この世界が続くと思われた時。

コツ…コツ…と、また足音が響いた。

多分、ここに来て唯一、僕が出会った男の足音だろう。

徐々に大きくなる足音は僕の目の前で止まり、男が口を開いた。

『気分は?』

さっきも思ったが、この男は僕の事が見えているのだろうか。

何も見えない真っ白な世界に、僕の姿が見えているというのだろうか。


やっぱり、僕の目がおかしい?


『おい。気分は?』

答えない僕に、少し苛立った様な声で男はまた言った。

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