夢オチ<22ページ>
雨は続く。
今は腰の辺りまでの水。

そろそろ余裕で泳げそうだ。

僕は、背泳ぎの要領で浮いてみる事にした。

真っ暗の中に浮く。

まるで、死んだ人間が、天に上がって行くようだ。
どんどんどんどん、水が増える。
手を伸ばしたら天井に触れるかな。
出口が見つかるかも。


そんな淡い期待を抱いて、僕は手を伸ばした。

冷たい壁が手に触れる。

だけど、表面はつるつるして、手に引っ掛かる場所は無いかった。

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