朝4時20分
迎えに来てくれるトオルちゃんの車を待つために
通りに面したベンチに腰を下ろす。
晴れ渡った真っ青な空を見上げ、タカのことをぼんやりと考えていた。
耳に届く、よさこいソーラン節の軽快なリズムと
買ったばかりのリンゴ飴が
より現実味を感じさせない。
さっきから2人とも無言だ。
先に沈黙を破ったのは私でもハルでもなく、トオルちゃんだった。
「電話ぐらい出ろよ〜」
少し困ったように笑う彼は
ハザードをたいて助手席の窓から、手招きをした。
さっきの電話で告げられたことは、最近付き合いの悪い私へのちょっとしたイタズラで
ドッキリでした〜なんて、ひょっこり現れるんじゃないかという
淡い期待は、あっさりと裏切られた。
なぁ、タカ…
あんた今、どんな顔してんの??