☆俺様King★

「怜夢」




「きゃ…」




いきなり
抱きしめてくる
しー。
しかも強引だから
バランスを崩し階段から落ちそうになった。おかげで変な声出しちゃったじゃない。





…これも…遊び?





私をからかってるだけ…?





視界が歪む。




「…私のこと、
好きじゃないくせに…」






つい口に出てしまった。





どうしよう…
またバカにされる。






「泣いてるの?」






しーからは
予想外の返事。




「な、泣いてない!」




「声と体が震えてるけど?」






しーが
言ったことは本当だ。



目からは涙が溢れてる。




(しーのこと考えてて
泣いただなんて
認めたくはないけど)





「…後ろ、向いて」



え…何言ってるの?

それって
泣き顔を
しーに見せるって
ことじゃない…!!



そんなの…




「いや!!」





「じゃあキスしろ


怜夢から」





キス…?!
しかも私から!?
絶対したくない…。



「どっちか選ばせてやるよ」




しー…絶対笑ってるだろうな。
顔を見なくても分かる。





逆らいたいけど
逆らえない…。



私って
どう、こうして…
人の言うことに
逆らえないんだろ…。




…キスよりは…
泣き顔見せる方がマシなので
私は仕方なく
後ろを向く。
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