☆俺様King★
十彌は私の隣に座った。
静かな時が流れる。
なんか…こう見ると
十彌って結構カッコイイかも。
鼻は高いし、目は切れ長、
焦げ茶色の髪の毛もサラサラだし…。
それに…いい香りがする。
爽やかな香り。
「…なに?」
私の視線に気がついた十彌が
不思議そうな顔をする。
やだ…私ったら何考えてるのよ!
「なんでもない」
十彌とは
視線を合わせず
呟く。
なんかはずかしい。
「十彌」
十彌を呼ぶ聞きなれた声。
十彌の爽やかな香りを一瞬で掻き消した甘ったるい香り。
…なんで…。
「うわ、って紫南!
なんだよ、いきなり…
というか、いつ入ってきた!?」
「さっき、こっそりと
で、なにやってるわけ?」
「怜夢の手伝い
提出物チェックだとよ」
「…永澤みたいな奴の手伝いなんかする必要ないと思うけど
だって、今日遅れたからやってるんだろ?」
…なにコイツ…。
思い切り人を罵って!!
学校でしー は
私のことを
『永澤』と呼ぶ。
いつもは呼び捨てのくせに…。
バカみたい。
「おいおい、紫南
いくらなんでも言い過ぎ」
「俺は事実を述べただけ
あ、そうだ
さっき担任が十彌のこと呼んでた」
「まじで?
行かなきゃ…
怜夢、
じゃあ悪いけど俺行くな
頑張れよ!」