時計塔の鬼

「……驚くなって方が無理だと思わない?」


拳を握り締めて、足に力を込めてやっと、声が出た。


掠れた声。

まるで木の葉のかすれる音のよう。


喉が乾いてしまってるみたいだった。





私は今、緊張している。





「ところで、一つ。聞いてもいい?」



唇を嘗めて。

問いかける。



「あなたの、名前は何?」



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