時計塔の鬼
「思い付いたよ」
美貌の鬼は、そう告げた私を心配そうにそのキレイで優しい瞳で見つめる。
視線の絡まったその瞳に向けて、私は笑みを深くした。
「私が教師になればいいんだ」
「教師に……?」
シュウはまだぽかんとしていたが、少し考えるように眉をしかめてから口を開いた。
「なんで?」
「私、子供は好きだから」
「それだけ?」
「あと、本を読むことも好きだから。あ、でも古典も結構好きかな」
「夕枝……」