時計塔の鬼
the speed of time to live in.
でも――。
「そんな寂しいこと、言わないで」
生きる時間が違うからって、それが一体何だというのだろう。
人間同士だって、いずれは別れがやってくる。
出会いと別れは二つで一つだと、誰かが言っていたけれど。
まさしく、その通りなのだけれど。
でも、私たちが生きているのは、今だ。
今、私は生きて、シュウのそばにいるのに。
「今から死ぬ時のこととか、別れる時のこととかを考えないで。今だけを見て」
先の絶望を見つめるよりも、今の幸せを見て欲しい。
先の別れを恐れるのではなく、今、共に在ることを感じて欲しい。
そう思うのは、果たして悪いことなのだろうか?