時計塔の鬼
fatigue to pile up.
ちなみに。
私が副担任をしてる一年三組は元気系な子がまとめて放り込まれたような、そんなクラスだ。
主担任の江川先生は、いい意味で言えば見守っているだけ。
悪い意味で言えば、放任主義。
そのため……ものすごーく、うるさいのだ。
一週間で何回「静かにっ!」と言ったのかさえ、もうわからない。
歩美と別れて、本鈴が鳴る頃に教室前までたどり着いた。
けれど、ドア一枚を隔ててるにもかかわらず、五月蠅いことこの上ない。
どうにかならないのか、とは思っても、元気な高校生連中にはどうしようもない。
「……うるさい~……」
自分のボキャブラリーの貧困さが、こんなところで出るとは思わなった。
もうとにかく、“うるさい”としか言えないのだ。
また疲れるわ。
……それも、まあ仕方ないけれど。
最近、私の心境は諦めの境地に達しそうだ。
そんな自分に苦笑が漏れる。
――ガラッ
「うるさいよー! 本鈴鳴ったんだから静かにっ!」
ドアを開けると同時に声をあげる。
そうでもしないと、気付かれないのだ。