時計塔の鬼
much failure.
「センセー、このプリント違うやつじゃないの?」
「え!? あ……ごめん、後ろから回収して!」
ある日、授業で配るプリントを間違えた。
……あーあ、と溜め息をつき、すぐに、今度こそ正しいものを配り直した。
「沖田先生、会議の連絡が回ってきていませんか?」
「あ、はい。来てますよ」
「次の方に伝えましたか?」
「あ……。す、すみませんっ!」
またある日、職員連絡を忘れていた。
……やばっ。
すぐに、そ伝えるはずだった先生方の元へ行き、謝り倒した。
「ぅわ……っ」
――ドザンッ
またまたある日、よそ見していてドアにぶつかったあげく、腰をしたたか打った。
……痛い。
私はじんじんと痛みを訴える腰をさすりながら、近くに散らばった持ち物を拾い集めた。