時計塔の鬼
a surprise attack and thanks.
翌日。
「えと……ね? 私昨日すっごく酔っ払っちゃったみたいで、ね?」
隣りで歩美がしきりに絡み酒の弁明を試みている。
私はもうすでに許す気でいるのだけれど、昨夜疲れたのは事実なので、あえてストップはかけてあげない。
これくらいはしても罰は当たらないだろう。
「あ、そろそろ朝の連絡があるんじゃない?」
「夕枝ぇ~」
……もうそろそろ、いいかな。
クルッと横を見、にっこり笑う。
「はいはい。もう気にしないで?」
「うぅ~、ありがとう……。でもね、夕枝を守るのは本当だからねっ!
歩美が固く握った拳をを振り上げる。
当然ながら、今、その手中にビールジョッキはない。
あったらそれこそ問題だ。
「……ありがとっ」
自然と、笑みが零れた。
だって、すごく嬉しい。
安心できる場所が出来たということは、とても嬉しいことだったんだ。
シュウ。
ちゃんと、気をつけるよ。
だから……見守っててくれるといいな。