時計塔の鬼
「シュウっ! 人を驚かして楽しむの、いい加減に止めなさいよ!!」
こちらがどれほど怒鳴っても、シュウは素知らぬフリをしている。
しかも余裕癪々として。
その飄々とした態度がまた勘に触る。
なんとなく、気に食わない。
彼の様子にまた私が腹を立てる。
「ちょっと! 真面目に聞いてるの!?」
ここ最近、お決まりになったやり取り。
彼は肩を震わせてくすくす笑う。
「シュウ!!」
「ちゃんと聞いてる」
微笑みかけられる。
「真面目に、じゃねぇけどな」
ほらすぐこれだ。
そして、茶目っ気たっぷりにそう付け加えられた。