時計塔の鬼
―Side Shu―…



また、今日も一日が終わる。



働き疲れた太陽が、自分の寝床へと戻っていく。






――タッタッ
――タッタッ



来た。

足音を聞いただけで、それが誰なのかわかった。




「シュウ。元気だった?」



夕枝が階段から姿を現した。


階段を登ってきたためか、呼吸も髪も、制服のスカートも乱れている。

白くて細い足に目が惹かれた。




…………。

俺、変態っぽくないか?




向けていた顔を街並みへと戻して、また夕陽を眺める。




「ああ」


「素っ気無いね、相変わらず」


「放っとけよ」


「嫌よ。シュウと話すのは嫌いじゃないんだから」


「それ、俺には関係ないんじゃねぇか?」


「気のせいでしょ?」


こんな会話さえもが、なぜか面白く感じる。



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