時計塔の鬼


俺は、鬼だ。



ならば、こんな感情は持つべきではないだろう。




いずれ、夕枝とも別離することになる。


長くても、夕枝がこの学校にいる後、2年半が限界だろう。


短ければ、明日。




簡単なことだ。


夕枝が時計塔に来なければ、俺たちが会うことはないんだ。



夕枝はただの人間で、ただの女の子であるというだけ。




この塔に囚われた俺とは、違うのだから。





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