時計塔の鬼
2章 北風の中に響く鐘の音
an unexpected change.
やっと紅葉についてのニュースが騒がれなくなった、十二月初旬のある日。
二学期の期末テストが終わった。
「んん~……」
――バキッ
――ボキッ
「…………」
自分の肩と腰と首から盛大な音がして、思わず回りを見渡す。
クラスメイトに変化なし。
いや、あった。
約一名、私の隣りの席で、俯いて肩を振るわせている。
「ちょっと、そこまで笑わなくてもいいでしょ?」
「だってあんなでけぇ音、俺でもたまにしかしねぇぜ?」
「テスト終わったんだから仕方ないのよ」
バッサリ切って捨てて、そのまま無視することに決めた。
幸い、他に聞こえた人はいないようだ。
これは真剣に勉強してた副作用みたいなものと思おう。
気にしない、気にしない、気にしない!
呪文のように心の中で繰り返す。