時計塔の鬼



クラスメイトたちが渋々といった体で走り出す。


柚子と共に、その塊の最後尾に並んだ。






――ザッザッ
――ザッザッ


スニーカーの底がグラウンドの砂と擦れて、小気味良い乾いた音を生じさせる。



ふと、足がもつれそうになり、慌てて体制を立ち直して、持ち直させる。



気をつけなければ。







そう思った矢先に。






――――……


目の前に白い光が広がった。


言い様のない激しい頭痛が、体を麻痺させる。


膝が、砂に擦れた。



重力に従って、体が、地に伏した。



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