時計塔の鬼

そんなことよりも、すごく大事なこと。






それは、時計を見て、わかったもう一つの事実。



後十五分程で、日が沈むんだ。




今日は時計塔で夕焼けを見られない。



それが意味することは……すなわち、今日はシュウに会えない、ということ。







シュウ……っ。



「っ……、シ、……っュウ……ぅ」



喉から掠れた息が漏れる。

頬が、熱く、そして冷たい。






鼻がおかしくなってしまった?

目もおかしくなってしまった?

喉もおかしくなってしまったの?



私は、一体どうなってしまったの?






お願いだから、答えて欲しい。

神様が居るのなら、届けて欲しい。



シュウ……。





< 49 / 397 >

この作品をシェア

pagetop