時計塔の鬼
そんなことよりも、すごく大事なこと。
それは、時計を見て、わかったもう一つの事実。
後十五分程で、日が沈むんだ。
今日は時計塔で夕焼けを見られない。
それが意味することは……すなわち、今日はシュウに会えない、ということ。
シュウ……っ。
「っ……、シ、……っュウ……ぅ」
喉から掠れた息が漏れる。
頬が、熱く、そして冷たい。
鼻がおかしくなってしまった?
目もおかしくなってしまった?
喉もおかしくなってしまったの?
私は、一体どうなってしまったの?
お願いだから、答えて欲しい。
神様が居るのなら、届けて欲しい。
シュウ……。