時計塔の鬼
大丈夫。
今度こそ、大丈夫。
明日は、会えるだろうから。
明日。
否、違う。
もう、今日、だ。
夢の中でありながら、こんなにも、意識がはっきりしている。
早く、目覚めなくちゃ。
学校へ、行くために。
シュウに会うために。
そうして気がつくと、私はちゃんと自分の部屋のベッドの上で寝ていた。
閉ざされたカーテンの隙間からは、すでに白い光が差し込み、かすかに鳥の鳴き声までがする。
朝だ。
「ん~……」
伸びを一回だけして、体を起こした。
そうして、制服に着替えるために、ベッドを出た。
新しい一日が、始まった。