時計塔の鬼
3章 想いを鐘の音に乗せて
the chain of the ogre.
―Side Shu―
来ない。
夕枝が、来ない――。
今日もまた、時計塔には俺一人分の影しかない。
最近は、夕枝と夕焼け時に話すのが、当たり前になっていた。
でも、それは当たり前なんかじゃなかった。
当たり前のことなんかじゃなかったんだ……。
よくよく考えろ。
俺は、彼女が来てくれなければ、会うことはできないんだ。
ただただ、この塔から見守ってやることしかできない。
俺は、鬼。
シュウは、囚で……
――囚人だから……。
来ない。
夕枝が、来ない――。
今日もまた、時計塔には俺一人分の影しかない。
最近は、夕枝と夕焼け時に話すのが、当たり前になっていた。
でも、それは当たり前なんかじゃなかった。
当たり前のことなんかじゃなかったんだ……。
よくよく考えろ。
俺は、彼女が来てくれなければ、会うことはできないんだ。
ただただ、この塔から見守ってやることしかできない。
俺は、鬼。
シュウは、囚で……
――囚人だから……。