時計塔の鬼
夕陽が目に突き刺さる様な煌めきを残し、去って行く。
晩秋……否、もう初冬の夕焼け。
鳥が連なって、飛びさって行く。
どんよりとした色を持ち、圧力を掛ける様に迫って来る鉛色の雲が西南の空にある。
時間をかけずに、ここも覆われてしまうだろう。
その雲の色が、俺の今の心の色のようだと思った。
そうして……
俺がやっと再び夕枝の姿を見れたのは、
実に一週間も時間が経ってからのことだった。
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