時計塔の鬼
a reencounter.
朝。
紺色のブレザーに身を包んだ人間が、白い校門を抜けて、コンクリートで固められた学校内の道路へとやってくる。
ぽつりぽつりと、顔しか知らない同じ制服に身を包んだ生徒たちがやってくる。
笑い合いながらの人間も居れば、眠そうに欠伸をしている人間も、陰鬱そうに俯きながら歩いてくる人間も居る。
人間たちは、実に多種多様だ。
白い校門へ視線を固定して、彼女の姿を捜す。
それはもう、日課になりつつある。
だが結局ずっと姿が見えなくて、落胆する日が続いていた。
今日もそうなってしまうのかと、内心思ってた。
けど、今日こそはという気持ちが俺を占めた。
夕枝。
早く……
来いよ。
姿を見せろよ。
……笑えよ。
ここで。