時計塔の鬼
―Side Yue―…


久しぶりに学校へ行くと、冬休みまで後三日ということもあって、浮かれた雰囲気が漂っていた。



その雰囲気に踊らされたのか、周りの人たちのほとんどがハイテンションだ。



「おっはよう、沖田さん!! ご機嫌いっかがー?」


そう、これくらい。

正直なところ、すごくウザい。


多少の手加減はしているのだろうけど、それでも、思い切り肩を叩かれるのはとても痛い。


こっちは病み上がりなんだから、少しは気を使って欲しい。

でも、この手の相手にそれを求めるのは、いささか無理があるのだ。



「……おはよう、坂田君。朝から元気だね?」


「そりゃ、もうすぐ冬休みじゃん? ウザったいテストもないから余計にな!」


「……あっそ」



まだ後ろからギャーギャーと騒いでいるが、無視を決め込む。

相手なんてしていられない。




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