時計塔の鬼


授業中。



授業が早く終わらないかと、何度も何度も時計を確認してしまう。



そんなことをしてもしなくても、時が進むのは確かなことで

それは私たち人間にはどうしようもないことなのに。






中年の教師が教壇に立ち、気がない授業をしてる。



この頃になると、まともな授業なんてものはなくて、授業中には早めに出された宿題をやる生徒がほとんどだ。



教師たちも、宿題に気付いても気付かないフリをしてる。





はぁ……。






私は机に肘を付いてそこにあごを乗せ、窓を……

否、時計塔を眺めて


溜め息を吐いていた。






何度も。

何度も。




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