時計塔の鬼
午後三時十分。
六限終了まで、あと五分――。
ゆっきうりとしか進まない時計に神経を苛立たせ、チャイムの馬鹿、と悪態を付く。
様々なバリエーションで、チャイムを、時計を、なじっていた。
宿題なんて、今はできない。
出来るわけがない。
こんなにソワソワしてる状態での勉強なんて、時間の無駄でしかない。
こんなにソワソワしてる原因は、一つだけ。
キーンコーンカーンコーン…
キーンコーンカーンコーン……
待ち望んでいた終業のベルが鳴るや否や、礼もそこそこに私は廊下に飛び出していた。
机と椅子と床とがぶつかる音が、遠くで聞こえた。