時計塔の鬼






頬から全身に、熱が広がる。


体が熱い。


本当に、燃えているみたい。



時計塔の寒さなんて感じられない。





ふわり、と。

赤くなった私を、シュウは見た。




面白そうに

楽しそうに

懐かしそうに

切なそうに


そして……

これは私の自惚れかもしれないけれど、


すごく愛しそうに見て、シュウは微笑んだ。




「夕枝は、俺のこと、好きだろう? ……俺は、夕枝が好きだよ」




< 91 / 397 >

この作品をシェア

pagetop