時計塔の鬼



――ヒュゥゥ……



耳を切り裂くように鋭く、風が吹いている。

冷たいけれど、冷たくない。


だって、こんなにも体が熱い。




今のは……

私の聞き間違いではないだろうか。



私の願望が白昼夢を魅せているんだろうか?





これは本当に……


現実?





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