女神様の好奇心
「………私のことは優莉って読んで下さーい。」
私の精一杯の抵抗。
「そんなことは今どうでもいいでしょ?」
あっさり一言でスルーする優莉。
はぁー…。
何だよ、この分厚い参考書。
机の上にあったその参考書をパラパラとめくると、見たことのないような方程式が気持ち悪いほどたくさん載っていた。
あー。世界って広いわ。
自分でも意味不明な感想を呟いて、これを解くのは今日から優莉じゃなくて私なんだ。とため息をはいた。
あーぁ…。
窓の外の夕陽が分厚い参考書をオレンジ色に染めていた。