恋に恋する五秒前
「ハナ!」後ろの方から私の名前を呼ぶ声がした。
振り向いてもいろんな国の代表の選手達がいて分からない。
(他にハナって選手でもいるんだぁー!!)そう思い、歩いていると
「無視すんなって!」と肩を叩かれた。
横にいたのは、ヒロヤスだった。
「そんな俺の事、嫌い?」と笑われた。
「ゴメンゴメン。いろんな選手がいて分からなかった」と言うと
「なんか怒ってんのかと思った」とホッとしたかのように言い返してきた。
「ごめんごめん。で、何??」
「試合、お疲れ様。1番に言いたくて…」
「残念!!さっきインタビューの人に言われたから、ヒロヤス君は2番め!」
「インタビュー早くね?!はぁー?!最悪じゃん!」
「もっと早く来てくれればよかったのに…」
「そうだとしても、また負けてるよ」
「もぉー!!暗くなんないでよ!もうじき試合でしょ?!私なんかいいから、試合に集中してよっ!」
「ハナ置いて、勝手に集中してられるかっ!!」
「ありがとう。それじゃあ、頑張ってね!!」
「おう。サンキューな!」