恋に恋する五秒前
ヒロヤスはそう言い、走ってロビーの下に行ってしまった。
「ハ~ナッ!お疲れ!!」冷え切ったペットボトルを私の頬っぺたにくっつけて、カナメがやってきた。
「ありがとう。冷た~い!! カナメは?」
「もう終わったよ!!」そのペットボトルを飲みながら、あっさり言っていた。
その飲み物の香りからカナメの持ってる飲み物は、レモン水に違いない。
レモンのほのかな香りがカナメが話すたんびに香っている。
「うそ!!早くない?」
「まぁね!」自信満々にカナメは腕を組み、威張っていた。
「うわ~。同じ年だからってひど~い!」私は泣くふりをした。
「ハハハハ。ところで、ヒロヤス君は?試合、してるんじゃないの?! 見ないの?」いっきにカナメの笑顔が消え真面目な顔になった。