恋に恋する五秒前
「卓球部も大変そうね?!ユウナも心配そうに言ってたわ!」
「ユウユウがっ?!」
「うん!そうよ。卓球部でハナ、怒られてないかなぁ?とか言ってたわ」
「ユウユウは優しいですね!?」
「そうよ!! …あらっ!いけない。あたしここの駅だから、それじゃあ!ユウナと仲良くしてあげてくださいね!!」
ユウユウの母親は私の母より年上そうだけど、母より全然元気そう。
私も次の駅で降りて、バスに乗った。
トントン!! 誰かに肩を叩かれた。
恐る恐る振り向いた。
「よっ!!やっぱり橘じゃん!!」
「えっ!?葵?!」
「そうそう隆太。橘、痩せたね?!」
「久しぶり~。そうなんだよ!!
練習量増えて、食事減量したから、10kgくらい痩せた。」
「10kgもっ?!すげぇー!」
「大丈夫!!葵は?どう?!」
「俺は相変わらず、バスケしてる」
「ちょっと背伸びたんじゃない?!」
「ちっとも伸びないよ!」
「それじゃ私ここだから!」
「おう!じゃあな」
葵ユウタは中学の頃の同級生で、両親共に仲が良くて夜とかご飯食べに行っていた。