恋に恋する五秒前
ボーっと考えていると9時になり、部屋にあるテレビに観戦者が次々と入ってきた。
[トントン!]ノック音が聞こえた。
「はぁーい!?」恐る恐るドアを開けると
「昨日は悪かった…ほんまごめんな」いつも会話の時では関西弁は使わないと言っていたのに関西弁と関東が混ざった変な、方言のヒロヤスが立っていた。
「あ…ヒロヤス君…。昨日の事はもう忘れて今日の試合頑張ろうよ!!」
「でもハナ、そのリストバンド傷を隠す為だろ…?」
「そんな事ないよ!!なんで?」
「とぼけんなって…。ずっとリストバンドなんかしてなかっただろ?」
「えっ?!…それはそうだけど、そんな理由で付けてる訳じゃないからね…」
「そっかぁ…。とにかく昨日は悪かった。反省してる。今日のミックスダブルス、頑張ろうな!!」
「うん!!ヒロヤス君…好き」
「なに言ってんだよ…。俺の方が100倍好きだよ」
ヒロヤスはそう言い、自分の口に付けた指を私の口に付けた。
…そんなヒロヤスが私は好きでたまらない。