にゃんことわんこ
「ふーん。ってかあの先輩に限らず藤って何で彼女つくんないわけ?
モテんだろ」
「モテた経験なんてないっつの」
「無自覚か。羨ましすぎだろ。寧ろ見てて腹立つな~」
草汰が俺のほっぺをつまみ出し横に引っ張る。
……痛い。
だけど振り払うのも面倒くさくて自分も草汰の頬に手を伸ばし、引っ張る。
そして、
パッチーンッ。
「いってぇ~~~っ」
引っ張れるだけ引いて勢いよく手を離した。
案の定、突然の痛みに驚いた草汰の手は俺から離れ、痛みを加えた部分を押さえている。