にゃんことわんこ
それはこんな本気で謝る草汰に悪気はないことは分かるし、
あのことは俺の中で過去のものとして処理されたからだ。
処理………されたはずだからだ。
「別にいいよ。昔の話だし。今は関係ない。それより草汰が秘密を作れる性格だったことに驚いた」
「ひでえ」
ははって軽く笑った。
草汰もいつものバカみたいな返しで俺に接してきた。
そっからは、草汰も話を戻さなかったし俺も違う話を始めた。
綾川瑞穂。
今、彼女はどうしてるのだろう。
もう、1年も経つのか。
忘れたのか、それともしまい込んだのかわからない。
久々に思い出した姿。
彼女は俺の……
初恋の人。