にゃんことわんこ
少し前のめりになってお互いのケーキをつつく。
私は一度目の前に持ってきてミルクレープを観察する。
こっちも美味しそう。
うっとりしながら口の中に入れる。
ん~、こっちも美味しー。
ほっぺた落ちちゃいそう。
ケーキってやっぱり幸せな気持ちになるなー。
もぐもぐ食べていると、急に視界が薄暗くなった。
ん?
曇ってきたのかな。
まぁ、ケーキが美味しいから天気なんてどうでもいっか。
「ゆ、夢先輩……」
そーちゃんが窓の外を見ながら私を呼んだ。
「なーに?」
「あ、あれ」
そーちゃんが指を指すので隣のガラスを見上げた。
あっ。
窓に人間がへばりついている。