にゃんことわんこ

少し前のめりになってお互いのケーキをつつく。


私は一度目の前に持ってきてミルクレープを観察する。



こっちも美味しそう。



うっとりしながら口の中に入れる。



ん~、こっちも美味しー。



ほっぺた落ちちゃいそう。



ケーキってやっぱり幸せな気持ちになるなー。



もぐもぐ食べていると、急に視界が薄暗くなった。



ん?
曇ってきたのかな。



まぁ、ケーキが美味しいから天気なんてどうでもいっか。



「ゆ、夢先輩……」



そーちゃんが窓の外を見ながら私を呼んだ。



「なーに?」



「あ、あれ」



そーちゃんが指を指すので隣のガラスを見上げた。



あっ。



窓に人間がへばりついている。




< 124 / 140 >

この作品をシェア

pagetop