にゃんことわんこ
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ってうのが昨日の話で、その夢先輩とやらが昨日の言葉通り、目の前にいるのだ。
今日1日びくびくして、ホッとした途端に登場かよ。
夢先輩は昨日のようにぴょんっとサドルから飛び降りると、
俺の自転車を引いて横にくる。
「さぁ、帰ろっ」
「帰るって……先輩とっスか?」
「そうだよー」
首を傾けて少女は笑う。
分かんねえ。
俺にはこいつの真意が全く読めねぇ。
何で当たり前みたいな空気なんだ?
流れが変だろ。
「藤くーん。早くー」
いつの間にか50メートルくらい先から夢先輩が俺を呼ぶ。
早っ。
昨日といい、今といい移動すんの早すぎだろ。
こうして俺は何故か夢先輩と帰ることになったのだった。