にゃんことわんこ
「ずっと好きな子がいるんだって、まだ。
まだ変わらず好きみたい」
そう言って久々に会った彼女は今にも涙がこぼれ落ちそうな目をして足元を見る。
結局俺も相変わらず話を聞く。
本当は聞きたくないのに聞いてしまう。
もうこのままでいるのは苦しいから終わらせたいのに断れない。
何も変わってないんだな、俺も。
「何で私こんなにしつこいんだろう」
何で俺は断れないんだろう。
「ねえ、恋の終わらせ方教えて」
彼女はゆっくり俺を見上げる。
ゆっくり手を伸ばす。
そして、そっと、俺の頬に手を触れた。
懐かしい指先を拒めない。
だけど俺は、終わらせたい。