にゃんことわんこ
判断するにはハードルが高すぎる。
読み取れない俺って鈍いのか!?
そうなのか?
いやいや。
こいつが個性的すぎるだけだ。
うん。
きっとそうだ。
そう思い込むことにした。
「ふーじくん」
腕にしがみつい少女が口を開く。
「絶対好きになってもらうから覚悟しててね」
そう言って笑う少女に、
不覚にも心臓が跳ねた。
だってよ……
強気なこと言ったくせに、先輩の腕は不安そうに俺の腕をきつく握るのが分かったから。
俺ってギャップに弱いかも。
っつか、
人間ってギャップに弱いよな。
やっぱ。
だから大丈夫。
恋じゃない。
………よな?