にゃんことわんこ
チラッと時計を見上げる。
あと2、3分で予鈴なってしまうというところ。
……起こすか。
そう決意してカウンターの女の肩を揺する。
「すいません、本借りたいんですけど」
何度も何度も揺らす。
スーッスー。
規則正しい寝息は止まない。
ムッカー。
どんだけ深い眠りだよ。
「起きてくださいっ」
さっきよりも大きく揺すった時だった。
ドサンッ。
少女が机から外れて下に落ちてしまった。
ローラー付きの滑りやすい椅子は後ろに飛び出した。
うわっ。
やっべえ。
衝撃的な出来事に慌てて回り込み少女の横にくる。