にゃんことわんこ
すごいっ。
これを世の人は百面相っえ言うんだよね。
「翔ちゃん?おーい」
目の前で手をひらひらさせても気づかない。
困ったな。
もうお家入っちゃおうかな。
「夢ってさ、俺のこと追ってあの学校入ったかと思ってた」
小さな声で呟く。
え?私ってそんなこと言ったっけ?
「じゃなきゃ……なんで夢はわざわざ私立に?」
「?」
翔ちゃんは下を向いたまま呟くからよく聞こえなくて、聞こえた部分を組み合わせて言葉を考えた。
そのため、少し間があいてしまった。
言葉が完成するなり私は笑顔で答えた。
「王子と言えば私立でしょ?
だから王子様に会うために行ったんだよ」
「ぐはっ」
翔ちゃんが奇妙な声をあげた。