にゃんことわんこ
「あ、すいません」
狭いこたつで先輩に足がぶつかってしまったのだ。
たったそれだけのことで変な声出して、
まるで俺が何かしたみたいな目で見てきて。
ひどくないか?
「ま、まさか藤くん……」
先輩が瞳をうるませ、俺を見る。
「誰もいないのをいいことに私に何かするんじゃ……」
「ありえないですから」
勝手に来てなんだよこの被害妄想。
変態あつかい?
おかしくないか?
勝手に人んち来た人に何で変態あつかいされなきゃなんないんだ?
なのに先輩は……
「でも私は藤くん大好きだし、
ちょっと早いけど、藤くんだったらいいよ?」
なんて1人で盛り上がってる。