にゃんことわんこ

しかもその眼が本気で、怖いんですけど……。



「藤く……」


「さあ、ケーキ食べましょうか。ケーキ」



先輩の言葉を遮ってケーキに手を伸ばす。



構ってらんねえ。マジで。



先輩はまだうるうるこっち見てる。



重い……がっつり見てて重い。



目を合わせないよう必死に先輩の手作りという箱を開ける。



先輩に目力に必死に耐える。



あと少しだ。あと少し。



「……ゔッ」



箱のを開けた瞬間、俺は鼻を摘んだ。



なんだこれ。



形はケーキ。



盛り付けも悪くない。



よく出来てると思う。



しかし乗ってる物は明らかにケーキにのせるものじゃない。



< 40 / 140 >

この作品をシェア

pagetop