にゃんことわんこ

そう願って兄貴の顔を見上げると……



……笑ってる。



「悪い。
2人の邪魔したくねえからさ、どっかでかけるわあ。
だから藤と仲良く食べてくれよ」



「そんな遠慮しなくても……」



「遠慮じゃねえから気にすんな。
じゃっ、2人で楽しんでってくれよ」



「ちょっ、兄貴……」



冗談じゃねえっ。



こんなん1人で食ったら俺が今晩どうなるか分かってんだろ!!



ドアの前まで歩いていった兄貴は俺の声で振り返ると、



「藤。仲良くやれよ。
せっかく2人きりにしてやるんだ。
今晩ゆっくり感想聞かせろよ」



ケーキのな。



って……。



ドアが閉まる音がする。



マジで俺を殺す気?




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