にゃんことわんこ
先輩は俺が照れてることなんて気づきもしないでまた真正面の席に座った。
「さ、ケーキだケーキ」
うきうきしながらまた俺を見る。
先輩とケーキを交互にみた。
……もう、逃げられないよな。
期待している先輩を目の前にして食べないという選択を俺は出来ないようだ。
弱いな、俺。
「じゃあ……いただきます」
「うんっ」
ケーキにフォークをいれた。
ゆっくりと運ぶ間に耐えられなくて一気に口に運んだ。
「~~~!!??」
そこから先の記憶はあんまりなくて、
覚えているのは夜にトイレから出られなかったことと、
ケーキが俺の舌を一日中麻痺させていたことだけだった。