にゃんことわんこ

「だからねえ。藤くんも、私の顔見て元気になればいいよ」



「……意味がわかりません」



先輩は元気になるかもしんねえけど俺はそんな単純じゃねえし。



しかも、悩みの種は夢先輩と関わってからだっつーの。



そんなの元気になるどころか不安が募ってくだろ。



「分からないのー?
じゃあねえ、教えてあげるね」



そう言うと先輩は一瞬照れたように目を泳がせた。



しかし、すぐに嬉しそうに口元を緩ますと、


「っ!!」


「こうゆうことー」



と言って抱きつきてきた。



相変わらず力の加減と言うのが分からないのか苦しいくらい締め付けてくる。



< 62 / 140 >

この作品をシェア

pagetop