にゃんことわんこ
こんな状況求めてねえ。
いつも通り先輩の行動は予測不能で危険をあらかじめ回避する事が出来ない。
「先輩……離れて下さい」
「やだやだっ。
元気注入中だもん」
みじんも注入されてねえよ。
苦しいだけだっつーのに。
むしろ体力吸われてるよ。
どうすればいいんだよ。
少しすると先輩は顔を上げた。
「力湧いてきた?」
「はいはい。湧きましたよ」
もう自分の力じゃどうにもならないと判断した俺は素っ気ない返事を返す。
元気が出れば離れてくれんのか?
っと淡い期待を持っていたのに、先輩はまた俯いてしまった。
頬が赤く染ったように見えた気がしたがもしかして……。
「先輩、離れてくれません?」
「……離れたくない」
……やっぱりか。