にゃんことわんこ

困った。



こういう状況の時ってどうすりゃいいんだ?



このまま突っ立ってんのもなんか恥ずかしい。



かと言って抱きしめ返すとかありえねえ。



突き放すのも……なんかなあ。



なんて色んな考えを頭の中で巡らし悩んでいると、
スッと腰回りの力が和らいだ。



驚いて視線を先輩に落とすと俺から体を離していた。



「な、なんてねー。
離れたくないとか半分冗談だよお」



半分本気なのかよ。



「えっと……今日はもう1人で帰る」



真っ赤な顔で先輩が悲しそうに笑う。



その表情に、胸の奥がチクリと傷んだ。



「でも、まだ家まで結構距離ありますよ?」



「今日は1人な気分なのっ。
じゃあ藤くんっ。また明日会おうねー」



「ちょっ……」



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