にゃんことわんこ
「まさか……欲望ってそんだけ?」
「ううん。他にも藤くんの生活に密着したいとか写真取りたいとかいっぱいあるよ」
呆れたような残念そうな顔をする翔ちゃん。
んー?
相変わらず反応が予想外。
変なのー。
ブツブツブツブツ。
今度は『そうだよな』っとか独り言をいいまくり。
…これって他人からみたらかなり怖い人間だよね。
「翔ちゃーん?」
声をかけても自分の世界に引きこもり。
スポーツやってる人間とは思えない暗さだな。
あ、もしかして。
私の存在を忘れたように自分の世界にいる翔ちゃんを一度見て微笑む。
頭の中に浮かんだ答えに胸が躍り立ち上がった。