にゃんことわんこ
めんどくさいのはごめんだし、気づかないふりをし続けよう。
……っと思ったが、
「見てあれ~」
「何何?あー、変なの。どういう遊びなのかな?」
道行く人の視線が痛い。
俺まで変人扱いされてるし。
「だから魚がぁ……」
しかも、独り言でけえよ。
距離も近すぎ。
もう少し離れてくれよ。
恥ずかしさのあまり、血液の上がった頬のまま藤は歩くペースを速めた。
それでも彼女との距離は広まらない。
校門が見えてくるとホッとした。
あそこをくぐれば中等部と高等部で校舎がかわる。
つまり玄関が違うから進む方向が違う。
よしっ。
俺の歩くペースはさらにあがる。